接着剤を活用する利点のひとつは、相手材(素材)の特性を最大限引出すことができることです。このコア接着積層についても、可能な活用方法なことから、技術のすそ野が広がることを期待をしています。
少しテーマから逸れますが、コア材料のメイン、電磁鋼板においても、歴史を紐解くと、技術の進歩が産業の歴史を変えてきたことがわかります。2000年に入ってからは、薄板化が進み、そこに接着の活用性が見出されてきました。その前に、少し、電磁鋼板の歴史のさわりを・・・
当初、電磁鋼板は珪素鋼板と呼ばれていました。そして…
後半の歴史は、またの機会に触れさせていただければと思います。
話は戻り、積層技術(工法)のひとつに、接着技術が活用されたのは、私が認識している限り、1990年代頃です。当時は、まだその良さが市場に知られることは少なく、たまたま使用した結果、良さが引き出された感覚でした。
話は進みますが、接着の活用は、カシメや溶接にない良さがあります。一方、カシメや溶接には接着にない良さがあります。この良さが融合すれば、新たな化学反応がおきると期待しています。
では、接着を活用する良さとは…
接着接合の利点は、相手材を最大限活かせることです。
そのひとつ、相手材を傷つけない…
二つ目、面で接合できる…
そして、三つ目、隙間を埋めれる…
カシメ積層、溶接積層と比較すると…
ですが、マイナス面もあるのが接着剤です。他の工法との最も異なる点は、接着剤(液)を使うということ。使うことで、材料費のプラス、液の管理、液を塗る工夫(設備)、塗布管理が必須です。このマイナス面を、どのようにプラス面に変えていけるか?ヒントは、皆さまがそれぞれお持ちになっています。そこを引出していきたい、との思いで活動しています。